あ い が の う み ぼ う ず
安乎の海坊主


いつの頃であろうか、淡路島の安乎(洲本市安乎町)の海に見たことも無い奇妙な生き物が現われたという。
それを見た者の話をまとめると、体はねずみ色で、猿のような頭に丸い眼と尖った口。喉の下が茶色く、手はヒレのようで、海老のような尾ビレをしていたという。しかし、全身を見たものは誰もいなかった。
また、海中深く潜ってヒラメやカレイなどを捕らえては海の上に浮きあがって食べていたという。
『郷土の民話 淡路編』(兵庫県学校厚生会 発行)の挿絵には、猿の様な顔に長く伸びた指の無い腕をした真っ黒な海坊主が描かれている。

伝承地 : 兵庫県洲本市安乎(あいが)町

参考資料 : “郷土の民話”淡路地区編集委員会編. 郷土の民話 淡路編. 兵庫県学校厚生会, 1971

補 考 : H14.09.06
安乎で目撃された海坊主は、その特徴からアザラシかそれに類する海獣ではないかと思われる。
平成14年(2002)8月7日、東京の多摩川にアゴヒゲアザラシ(通称タマちゃん)が現れたことがあった。生息域や海流の関係を無視して推測だけで話を進めて申し訳ないのだが、東京の多摩川に現れたのならば、瀬戸内海に現れても不思議ではないのではないだろうか。当時の人々がアザラシ等の海獣の存在を知っていたか否かが今後の考察の課題だが、当時の安乎の人々はこれらを見て海坊主と思ったのではないだろうか。

#妖怪 #海坊主 #淡路島