兵庫県を流れる武庫川の河川敷には、ピョンピョンと飛び跳ねる女性の幽霊が現れるという。
同様の怪異は、愛知県にも「ピョンピョンババア」という有名な話がある。
犬山市の入鹿池では「水面を跳ねるように渡っていく老婆」が、名古屋市の八事霊園では「墓石の上を次々と飛び越えていく老婆」が目撃されており、後者は「ジャンピングババア」とも呼ばれている。
この「ピョンピョン」という動作が、スキップなのか、あるいは両足を揃えた不自然な跳躍なのかは定かではない。
日本に限らず、アジア圏には「両足を揃えて跳ねる死者」の伝承がある。
有名なのは香港映画『霊幻道士』で一世を風靡した中国の「キョンシー」(僵尸、殭屍)だろう。キョンシーは動く死体であり、死後硬直によって全身の関節を曲げることができない。そのため、必然的に両足を揃えて飛び跳ねることで移動をする。
また、インドネシアには「ポチョン(Pocong)」と呼ばれる幽霊が伝わっている。これは墓の中から蘇った死者とされている。インドネシアのイスラム式の埋葬では、遺体を白い布で包み、頭、首、足首など数箇所を紐で縛る習慣がある。ポチョンはその姿のまま現れるため、自由のきかない両足でピョンピョンと跳ねながら、生者を追いかけてくるのだといわれている。
武庫川の河川敷を跳ねる女性も、あるいはこうした「自由を奪われた死者」の彷徨える霊なのかもしれない。
伝承地 : 兵庫県 武庫川河川敷(西宮市・尼崎市 界隈?)
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