食べ物
■ 鰻(うなぎ)
・ 鰻の尻尾は食べると頭が良くなるので子供に食べさせる。
■ 梅干し
・ 梅干しが腐るとよくないことが起きる。(※1)
・ 梅干しにカビが生える(または腐る)と身内に不幸が起こる。(※1)
・ 梅干しにカビが生える(または腐る)と夫か父親が死ぬ。(※1)
・ 梅干しにカビが生える(腐る)と死人が出る。(※1)
・ 人が亡くなると梅干しが腐る。
・ 梅干しを捨てるとバチが当たる。(※2)
・ 梅干しを捨てると良くないことが起きる。(※2)
・ 梅を大量に捨てると死人が出る。(※2)
・ 梅干しの種を海に捨てると海が荒れる。(沖縄県八重山地方)
備考:
※1 各家庭で梅干しを作っていた頃、今の梅干しとは違って塩分濃度も酸度も高かったため、普通ではカビが生えたり腐ったりすることはそうそうある事ではなかった。そのため、滅多に起こらない事が起こったのは不吉な知らせである、縁起が悪いと考えられるようになったといわれている。
また、今の様に医療が発達しておらず、薬もないような時代においては梅干しは薬或いは薬代わりという存在でもあった。その薬代わりとも言うべき梅干しが傷むということは大変なことであったためとも言われる。
加えて、カビが生えたり、腐ったりする様な環境というのは人体にとっても良い環境ではないため、この様に言われるようになったともいう。
※2 古来より梅には霊力が宿ると考えられており、出雲地方や沖縄では神事で梅干しや梅漬けが神事に使われることもあるという。そのため、梅を粗末にする事は良くないと考えられた。
■ お月見のお供え
・ 未婚の女性がお月見にお供えしたものを食べると嫁に行きおくれる。
・ お月見にお供えしたもの(月の光を浴びたもの)を男性が食べると種なしになる。そのため、お下がりは女性か年配の男性が食べる。
■ 胡瓜(きゅうり)
・ 胡瓜のへたを切り落としたら、切断面(切り落としたヘタと残りの部分)をこすり合わせるとえぐみが抜ける。(母から聞いた話)
備考:
キュウリ切断すると維管束からアク(渋味成分)の蟻酸が出て来る。この時、へたと実の切り口同士をこすり合わせると、キュウリの中の維管束液の量が減少し渋味を低減させることが出来る。
■ ぬかみそ
・ ぬかみそにカビが生えると良くないことが起きる。
備考:
ぬかみそは毎日かき混ぜなければすぐにカビが生えてしまう。ぬかみそにカビが生えるということは、その家の嫁がまめに家事をしていないという事であり、そのようなだらしない嫁だと家庭内が荒れるということらしい。
■ 卵(玉子)
・ 卵の中に黄身がふたつ(二黄卵)だった時は、一人で黄身をふたつとも食べてはいけない。もう一つの黄身は別の人が食べなければいけない。(祖母から聞いた話)
備考:
双子は縁起が悪いという俗信に関係があるのだろうか。逆に、卵の黄身がふたつだった時はいいことがあるという話もある。
■ 仏 飯
・ お仏壇にお供えしたご飯を頂くと病気をしない、元気になる。(宮内様より聞いた話)
備考:
仏様の功徳を一緒に頂くという考えによる。
民話では、仏壇にお供えしたご飯(仏飯)を食べていると、河童と相撲をとっても負けないという話がある。
■ 味 噌
・ 味噌の味が変わると死人が出る。
・ 朝ご飯に味噌料理を食べるとその日一日運気が下がる。ただし味噌汁は食べても良い。(※3)
備考:
※3 物事が順調に行かなくなったり、失敗したりすること、けちがつくことを、「味噌が付く」「味噌を付ける」という。これに関係があるのか。
■ 茗荷(みょうが)
・ 茗荷を食べると物忘れをする。(※4)
・ 茗荷を食べ過ぎると物忘れをする。(※4)
・ 子供が茗荷(ミョウガ)を食べると物覚えが悪くなる。(※5)
備考:
※4 釈迦の弟子の一人に周利槃特(しゅりはんどく)という大変物覚えの悪い弟子がいた。周利は、自分の名前さえ忘れてしまうため、名前を書いた板を背負い、名前を聞かれたらそれを指さして見せていた。
そんな周利の死後、彼の墓の周りから見慣れない草が生えてきた。生前、周利が自分の名前を書いた板を荷っていたことに因み、その草は「茗荷」(名を荷う)と命名された。
その故事から茗荷を食べると物忘れをすると言われるようになったという。
※5 前述の「茗荷を食べる(食べ過ぎる)と物忘れをする」という俗信に由来すると思われる。
京の僧侶、安楽庵策伝が著した『醒睡笑』(元和9年(1623)成立)には「振舞の菜に茗荷のさしみありしを、人ありて小児にむかひ、これをば、古より今に至り、物読みおぼえむ事をたしなむほどの人は、みな鈍根草となづけ、物忘れするとてくはぬ。」というくだりが見える。