あべのせいめいこうざぞう
安倍晴明公坐像(長仙院 蔵)

安倍晴明公坐像 本像は、かつて京都五条通の鴨川の東にあった坂北帝院長棟堂清円寺に祀られていたが、明治五年(1872)に清円寺が廃寺となったことから、明治十年(1877)に同寺の阿弥陀三尊像などの仏像と共に長仙院に迎えられたものである。
江戸時代の作とされ、安倍文殊院の晴明像とは対照的に強装束(こわしょうぞく)を付け、正面を見据え、両の手を握り、右足を前にして坐する像である。
像は木製の型に胡粉(ごふん)を塗り、彩色している。装束には模様が付いているが、残念ながら退色してはっきりとしない。冠の簪(かんざし)や纓(えい)、笏(しゃく)、太刀などは欠損していて無い。
木造の台座には高麗縁(こうらいべり)の畳を表す彩色が施されている。

長仙院 所蔵
(京都府京都市中京区六角通河原町西入ル)