安倍晴明五十歳の姿とされる小振りの木像。狩衣(かりぎぬ)を身に纏い、烏帽子をかぶり、手に笏(しゃく)を持つ。 頭部は別に製作されたものを胴部に差し込まれ、全体には彩色が施されている。 特徴的なのは、左手を胸の前にあげるなど、掛幅に見られる晴明公像とは趣を異にしている点である。 背面には「晴明公五拾歳像 嘉永七甲寅八百五拾 年回御神忌改之 土御門家(以下判読不能)」と墨書きされており、嘉永七年(1854)の八百五十年祭の折に土御門家により作られたことが伺える。 現在は、後世に造られた床机(しょうぎ)の上に坐している。
安倍王子神社 所蔵 |