龍の尾
(The mummy of the dragon's tail.)


今から千二百年ほど昔、肥前国(長崎県)に真名野長者という豪族がいた。
その長者が所有する土地の中にはどうしても埋めることの出来ない小さな湖があり、開梱の妨げと長者は頭を痛めていた。
ある日、夢で「湖の主である蛇が邪魔をしている。八振りの名剣を湖に沈めよ」とお告げがあり、それに従うと、湖から大蛇が天に向かって飛び立って行った。
数日後、埋め立てられた湖の跡地に枯れ木のようなものが突き立っていた。
それがこの龍の尾である。

大分県大野郡 内山観音寺蔵